2019年10月より三木町にてフリースペースを運営しています。フリースペースの紹介をYouTubeでしていますので、こちらをご覧ください。
学校以外の居場所「フリースペース@三木町」は子どものこころを癒し、エネルギーをチャージする場所、おとなのこころに寄り添い、ともに考え見守る場所です。
フリースペースを開設した経緯
香川大学は、地域に根ざす大学として地域社会への貢献を目指しています。三木町においては子育てに関する様々な課題に対する支援を行う「健やかあすなろプロジェクト」を町の補助事業として2018年より実施しています。その事業の一環で、2019年10月に白山文化センターにてフリースペースを開設しました。
不登校は年々増加しており、2023年度には全国で約35万人、中学生の約7%が不登校と分類されています。実際には教室に入らない保健室登校や別室登校、放課後登校は不登校とカウントされていません。およそ「不登校」の3倍程度がいわゆる「隠れ不登校」と考えられています。
学校に行かない子どもはどこに行くのでしょうか。自宅に引きこもり、学習等の機会を失うことがほとんどですが、市町の教育委員会が主に運営する教育支援センターや民間のフリースクール、フリースペースに行くこともあります。三木町には教育支援センターがあるのですが、中学校構内にあるため不登校の子ども、特に小学生は敷居が高くて通うことができません。学校外に不登校の子どものための居場所がほしいと長年要望がありましたので、補助金を使って開設しました。
フリースペースを開設するにあたって大事にした3つのこと
一つは参加が学校の出席認定になることです。毎日終日あるフリースクールですら出席認定が当時もらえないことが多かったので(現在は出席認定されることが多い)、週に1~2回短時間のフリースペースで出席認定をもらえることはまずありません。ただ、当時不登校だった中学1年生男子の保護者の方が「息子は将来のことを気にしていて、もし出席認定されたら、家から出るきっかけになるかもしれない」とおっしゃいました。それで、教育委員会と掛け合って出席認定していただくことになりました。いまだにフリースペースで出席認定されているのは香川県では三木町だけだと思います。
二つ目は親を支えるための工夫をすることです。親への専門職による無料相談、子育てや子どもの特性を理解するための図書の貸し出し、親の会の開催などです。親が不安だと子どもを支え見守ることができません。子どもには居場所だけでなく、自分を受け入れ、支える家族が必要です。
三つ目は学校や親子に直接かかわるスクールカウンセラーやソーシャルワーカー、養護教諭と密に連絡を取り合える間柄になることです。下記のようなフリースペース運営委員会を発足するとともに、それぞれの役割を明確にしてからフリースペースを始めました。

最初は支援員も見つからなかったため、私と次女が支援員を務めました。週に1日、2時間開所し、1~2人しか来ませんでしたが徐々に参加人数が増えて、2022年には週に2日開催し、前年の4倍の小中学生が来てくれました。

子どもたちの様子
フリースぺースに来る子どもたちは元気に外でボール遊びをしたり、室内で絵を描いたり、ボードゲームやカードゲーム、パズルや工作を楽しんだりします。子ども支援員と楽しく会話することも、静かに本を読んだり、勉強をしたりすることもあります。けんかをすることもあり、気が合わない子がいるからとしばらく顔を出さない子もいますます。自分たちで話し合って、仲直りをすることもあれば、決裂することもあります。年長者が仲介したり、他の遊びに誘って気分転換させたり、愚痴を聞いてやったりすることもあります。医学生が実習としてフリースペースに参加したことがありますが、子どもたちがあまりにも元気で、屈託ない様子に驚いていました。ブルネイ人留学生が来た時も臆することなく、スマホを使って会話をし、すぐに仲良くなっていました。



フリースぺースに来る前は家で一人過ごす時間が長く、対人関係が怖くなっていた子どももいました。しかし、フリースぺースに毎週来ることで変化をもたらすきっかけとなり、主体的に進路選択をして進学をしたケースもありました。また、強迫性症状があった子どもはフリースぺースで過ごすうちに症状が消失し、寡黙な子も他の子どもたちと遊んだり、スクールカウンセラーの面談を継続的に受けたりることで自分から会話をするようになりました。多くの子どもたちが中学校に進学するタイミングや進級するタイミングで復学しています。そうでない子も教育支援センターとフリースぺースを併用しつつ、自分のペースで過ごしています。中学校を卒業した児童生徒は通信制高校や全日制高校等にそれぞれ進学しています。
保護者の声
フリースぺースは子どもの息抜きの場所、自分を受け入れてくれる場所、外出のきっかけになっており再び社会や人とつながれる場所との前向きな言葉が聞かれます。さらに、様々な体験活動だけでなく、学年や学校の違う人や留学生、医学生、地域の大人など様々な人と関われる体験がよい、先生達との対話も楽しんでいるとの声もありました。ある保護者はフリースぺースが「困った時の駆け込み寺」となり、なんでも話を聞いてもらえる場所として勇気づけられ、親子で精神的に救われた。本の貸し出しも知識を深められ、子どもの理解へとつながったとのことでした。
フリースペース卒業生のアフターストーリー
最初に紹介した3中学1年生男子は、出席認定があるためフリースペースに来てくれました。一人で自転車に乗って外出するのは3年ぶりとのことで、最初はあいさつをして1分くらいで帰っていきました。そのうち慣れてくると30分くらい話したり、カードゲームをしたり、イベントに参加して帰るようになりました。卒業後は通信制高校のサポート校に進学。イベントもなく個別授業だからと選んだ学校でしたが、そのうち毎日登校し、写真部に入り、小遣いでカメラを買い県外に撮影に行き、イベントを企画し、スピーチコンテストに出場し、受験をして県外の大学に進学しました。本人になぜこんなに変われたのかを聞いたところ、「もともと自分はいろいろチャレンジしたい方だったけれど、学校でつまずいて怖くなっていた、フリースペースが動くきっかけになれた、ありのままの自分を受け入れてくれる感じがよかった」と教えてくれました。フリースペースが一人の人生を変えるきっかけになれて嬉しくなりました。
課外活動
2022年 讃岐おもちゃ美術館
2023年 陶芸教室@アートスペースにしくみ
スケート@トレスタ白山アイスアリーナ
2024年 図書館で職場体験@三木町文化交流プラザ メタ・ライブラリー
陶芸教室@アートスペースにしくみ
動物愛護学習@しっぽの森
木工教室 with 木工教室癒楽木
スケート@トレスタ白山アイスアリーナ
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