ここでは、ぜひお子さんと一緒に読んでほしい本や、親として読んでおくととてもためになる本を紹介します。読者に向けられた一つ一つのメッセージには心がほっこり温かくなるようなものから自分の子育てについて考えさせられるようなものまで様々なものがあります。この本たちをきっかけにさらにお子さんとの関係を深めてほしいです。
この本は、親子が笑顔になれる「言葉かけ」「よい行動の増やし方」「困った行動を他の行動に変える方法」を分かりやすく解説してくれています。個人的には、4コマ漫画がとても分かりやすくて、私だけでなく小学5年生の娘も楽しんで読めました。
『発達障害の子ども』、と書いてありますが、どんなお子さんにも共通する子育てのコツが詰まっています。是非、読んでみてください!
超ネガティブな細川貂々さん(「ツレがウツになりまして」の著者)が精神科医の水島広子先生に、対人療法を学んで変わっていく様子をマンガで見ながら、専門的な解説付きで学べる「それでいい」シリーズ。自己否定感が強くても、発達障害で生きづらくても、人付き合いが苦手でも、楽に生きていける対人療法。当事者の方にもおススメですが、私としてはリアルな困り感が理解しやすいので、支援者の方にもおススメです。
白川さんはその美しさとメンタルの強さから、学生時代にはいじめられ、社会人になってからも女子たちに陰口をたたかれています。ですが、投げつけられる言葉や態度の刃を華麗に避けるのはもちろんのこと、それらを脳内でポジティブワードに変換してストレスフリーに生きています。心身共に美の追求に励む姿がブレなくて、元気をもらえます。それらの生きる技術がマンガで描かれ、心理療法を受けてる気になる面白い1冊。
「#8月31日の夜に。(生きるのがつらい10代のあなたへ)」
8月下旬にはNHKのEテレで「#8月31日の夜に。」という番組が流れます。「学校に行きたくない」「生きるのがつらい」「毎日がゆううつ」……そんな気持ちを抱える子どもへ、現役10代とかつての10代からのメッセージがこの本に詰まっています。「苦しいのは自分一人ではない」、「今、死ななくてもいいのかな」と思ってもらえたらと思いますし、子どもをこれ以上傷つけないよう、大人は子どもに寄り添い、全力で守ってほしいと思います。
トリプルP前向き子育てプログラムの内容をイラストと共にわかりやすく解説してあるので、トリプルPを受講していない保護者や支援者の方が理解し、実践することが可能です。また、受講した保護者と子どもたちに見られた変化やファシリテータ―からの生の声に励まされます。トリプルPは虐待予防や非認知能力向上、ネット依存症予防にも有効であり、現代の子どもをめぐる様々な問題に対応可能だと考えられます。ぜひ、ご一読を。
精神科医が子どもから社会人、高齢者まで遭遇する悩みや不安、疲れをなくすためにできることや問題の捉え方などを心理学や脳科学をもとに、わかりやすく解説した決定版!人生についてトータルに考える知恵にあふれた良書です。健康、人間関係、仕事をより充実させるために、今日から○○をやってみよう!と前向きになれます。何回も読み返したくなる1冊。あなたの人生のお供にいかがでしょう?
著者は不登校経験がある不登校新聞編集長。20年の取材と自身の経験から、子どもに向き合う際の具体的なアドバイスやその背後にある考え方をわかりやすく書いています。子どもが今、不登校でなくても、すべての親に読んでほしい最も参考になる子育て本の1つです。教育学者の汐見稔幸先生やN高創立者の川上量正氏との対談インタビューもスパイスがきいていておもしろいです。
発達の特性や感覚過敏などで学校生活が苦しいと感じる子どもは多く、その困りごとをうまく先生に伝え助けを求めることはできません。なぜなら、子ども自身が困っていることを自覚できておらず、何とかできることも知らないからです。そんな子どもたちの日常を4コマ漫画にし、見開き2ページで特性の専門的な解説と具体的な対応策をわかりやすい文章でまとめてくれています。子どもに関わるすべての人、読みましょう!
「日本の子どもは7人に1人が貧困である」という事実に驚かれる方も多いと思います。ここでいう貧困は「相対的貧困」のことですが、その言葉の定義、生まれながらにしてもつ「不利」が子どもの健康、学力、将来にどのような影響を及ぼすのかを豊富なデータを基に解説しています。また、少子化対策でも母子家庭対策でもない「子どもの貧困」という視点から見た世代間連鎖を断ち切る有効な対策を提言しています。ぜひ、ご一読を!
著者は東京都児童相談センター心理司で、いじめを含め多くの相談を受けています。その著者が、今のいじめは「子どもの生存をかけた適応、そなわち感覚の鈍化の上に成り立った異常事態」であると言っています。今時のいじめの特徴、メカニズム、加害者の心理、親としてすべき子どもと学校への対応を具体的に書いています。誰でもターゲットになり、傍観者でいることが許されない今時のいじめ。子どもに関わるすべての大人が読んでおくべき1冊です。
著者のジャレド・ダイアモンド教授は、著名な進化生物学者で、本書は若い読者のために書かれたものです。今までの膨大な研究を1冊にまとめた、非常に興味深い読み物です。なぜ人間が他の動物とこんなにも異なって進化したのか?人間しか持たない奇妙な性行動、言葉、芸術、農業、タバコや酒、薬物などの嗜好品、集団殺戮、環境破壊など、それらが持つ進化における意味と未来について、広く深く切り込んで論じています。
著者は精神科医の斎藤学先生です。30年間家族の問題に臨床医として関り、試行錯誤してきた先生の「父親になるための本」です。父親の立場から家族を考える本は、あまりありません。単なる子育てノウハウ本ではなく、歴史や文化を学問的に扱った家族を考える「父親学」のように感じました。家庭内暴力を含め、数多くの事例がわかりやすく語られ、分析されており、興味深い内容になっています。
著者の水島広子先生は精神科医で、日本における対人関係療法の第一人者です。様々な精神疾患を対人関係療法でなおすシリーズを書いておられ、その中の1冊です。子育て相談でも結局は夫婦間の問題であることも多く、子どもに安心できる養育環境を与えたいと考えるなら、夫婦関係の改善は必須になります。どちらかが悪いのではなく、「役割期待のずれ」が問題で、それを調整できればうまくいくというシンプルな理論は、豊富な具体例と共にわかりやすく説明されており、実践しやすいです。すべての夫婦と支援者に。
この絵本は、香川大学の医学生が書いた本で、第19回えほん大賞を受賞しました。つまらない毎日を過ごす主人公の裏に建った「おキモチや」から、いろんな気持ちを買って覗いてみます。いろんな生き物や物体のいろんな気持ちを体験し、発見に満ちた楽しい毎日を過ごします。読んでるこちらもワクワク。そして最後に覗いてみたおキモチは、いつも寝てばかりのパパ。涙ポロリのオチが素敵です。
韓国人のクルベウさんが書いたエッセイ。人間関係、仕事、恋愛など様々な人生の場面で役に立つ「こころの在り方」を、著者が出会った様々な人の言葉をそのままに、語りかけてきます。読者の対象を「つらくても声にだせない」「自分よりも他人を優先してしまう」優しくも傷つきやすい人にしているので、文章がとにかく優しく、包容力があります。考え方を押し付けるようなところがまったくなく、心から癒されると同時に、勇気と元気がもらえます。
「にげるために、さがすために、きみのあしは、ついている」学校で苦しい思いをしている子どもに。社会で辛い思いをしている大人に読んでほしい1冊です。苦しみから逃げ、嫌な奴から逃げ、喜びを探すために、素敵な人に出会うために「足」がある。動くことは自由で、どこまでもいける。動くかどうかは、あなた次第。さあ、どうする?と私たちに語りかけてくれます。短い文章とシンプルなイラストのヨシタケシンスケさんの絵本は、何よりもの哲学書だなと毎回感じます。
念願のプロ野球選手となって、4年目に脳腫瘍の宣告を受けた著者。努力に努力を重ねてプロに戻るも、視力だけは回復せず、24歳で引退試合に。そこで見せた奇跡のバックホームが話題になりました。トップに立つ人の努力の仕方、失敗に対する向き合い方、絶望からの立ち上がり方、病を経験して見えた新しい世界と生きる道。多くの学びがつまった良書です。
嫌われない話し方、相手を心地よくする話の聴き方、初対面の人に好意を持ってもらう話し方、逆ギレされない話し方などを具体的に、わかりやすく、「ほんのちょっと変える」だけで実現する方法が書いてあります。良い親子関係、夫婦関係、友人関係、同僚との関係のために必読です!私は大いに反省させられ、参考にさせて頂きました。
ワンオペで疲れ切ってしまうお母さん達。漫画家の著書もまたワンオペ家事・育児に絶望し、ダウンしてしまいました。夫の海外赴任に帯同したことをきっかけに、世界中の「疲れていない家族」を取材しました。子どもが多くても、仕事をしていても疲れることなく家族がうまくいく秘訣をまとめ、実用的アイデア(便利家電、時短料理、家事外注)も紹介しながら、コミックエッセイとして描いています。とても参考になり、楽しく読めます。
日本は西欧のような絶対神ではなく、多くの神が住まう国として信じられてきました。男女の神が国を生み、神を生んで日本をつくったのです。日本の成り立ちを記した古事記は、個性豊かな神々が生き生きと描かれており、旧約聖書に匹敵するおもしろさです。因幡の白兎やアマテラス、黄泉の国、三種の神器など聞いたことがあると思います。ぜひ、日本人のルーツを紐解いてみませんか?マンガ+解説なので、とても読みやすいです。
著者は、精神科医で「対人関係療法」の日本における第一人者。毒親と言うものを、親側の精神医学的事情から解説・考察した上で、大人になっても、離れていても自分を苦しめる親問題を手放す方法を示しています。親から受けた傷をいやし、自分らしく生きたいと思う人の背中を、圧倒的な説得力で押してくれる良書です。また、毒親とされた親に向けて書かれた、子どもへの向き合い方も子育てする人にとって参考になります。
「おとなを動かす 悩み相談クエスト (こども六法NEXT)」
「こども六法」の姉妹本。いじめ、喧嘩、トラブルなどで悩む子どもたちは、相談した親や先生が「そんなの見なければいい」「あなたにも悪いところがあるんじゃない?」などの「まあまあ言葉」で受け流すことに傷ついています。そんな大人をまあまあバスターズが撃退し、正しい対応ができる大人に変えてくれる、斬新な漫画です。解説は弁護士や警察、スクールカウンセラーなどの専門家なので、正しい知識を得ることもできます。問題を解決するのは子どもの「相談力」。よい相談者の見分け方、大人がよい相談者になる方法を教えてくれます。
「こども六法」の著者が、デジタルネイティブと言われる若い世代に向けて「インフラとしてのネット」との付き合い方、スマホとのルール作りを一から解説しています。よくわからない大人は怖い、危険と思い込んで、使用時間ばかりを制限しようとしがち。この本では、実際起こりえるネットトラブル10例を漫画にして、解決法を登場人物と一緒に考えるスタイルをとっています。親子で一緒にスマホが与える利便性と回避すべきリスクを考えることができます。学校教育での必読書にしていただき、教育者や支援者にもぜひ読んでいただきたいです。
「ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち: 子どもが社会から孤立しないために」
著者はネットとゲームの世界にどっぷり浸かっていた成長してきた児童精神科医。この手の本は、予防や医学的観点からの警告や治療、危険性の啓蒙が中心ですが、この本は当事者目線の、ゲームの何が子どもを惹きつけるのかという点、大人から子どもの世界に近づいてみる大切さが書かれています。その上でゲームやネットの使い過ぎを防ぐために、子育ての中で子どもに「おしまいにする力」を育てる方法について紙面を割いて説明しています。子ども目線、新世代目線の解説は、目から鱗でした。
「学校へ行けない僕と9人の先生」・「学校へ行けなかった僕と9人の友だち」
小〜中学校時代、不登校だった著者。漫画家の鳥山明先生と出会い、生きる希望を見つけました。学校へ行けない日々、「9人の先生」との出会いと別れを通じて、喜び、傷つきながら成長していく少年の姿が描かれています。「僕と9人の友だち」では「普通」になりたい不登校の著者が、定時制、専門学校、フリースクール、バイト先など様々な居場所で「友だち」と繋がり知った、本当に大切な事について描いています。漫画家になりたかった著者が漫画家として実体験を基にして描いた物語です。